本の要約 PR

【本・要約】実戦商品開発マーケティング戦略【佐藤義典】

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読みたいと思ってる人

この本ってどんな本なの?

こんな疑問を解決します。

Hassy

今回解説するのは、発売以来10万部越えのロングセラー「ドリルを売るには穴を売れ」でお馴染みの著者佐藤義典さんの書籍「実戦商品開発マーケティング戦略」について解説します。

この本良いですよ。佐藤義典さんの書籍はいつもわかりやすくて、初心者の人でもスラスラ読めちゃいます。

特に新商品や新サービスを作りたいけど、どうしたらいいだろうって困ってる人なら読む価値めちゃくちゃあります。他にも副業にも使えます。

で、もう前置き無し。さっそく本書の結論をお伝えします。

本書の結論

お客様に「刺さる商品」の作り方がわかる

コレなんです。つまり、商品開発はお客様に刺されば売れる!今世の中には商品やサービスであふれています。そこで価値の高い商品、必要とされるサービスには「お客様に刺さる!」コレが必要なんです。

読みたいと思ってる人

売れる商品やサービス作りにはお客様に刺さらないとダメってことはわかったけど、その刺さる商品をどうやったらできるのか具体的に教えてよ!

今回はこんな3部構成でお伝えします。

今回の解説内容
  • 刺さる商品開発ってなに?
  • ②なぜ商品開発が大事なのか?
  • ③刺さる商品開発3ステップ

こんな流れでお客様に刺さる商品開発を解説していきます。まずは、刺さる商品の正体を紐解くことからです。

刺さる商品開発ってなに?

刺さる商品開発とは「お客様が欲しい商品の開発」です。

商品開発の最大の目的は「売れる商品・サービス」を作ることです。そして「売れる」=「お客様が欲しいもの」で、お客様は何かしらの「価値」を得るために商品を購入します。

そこで刺さる商品開発をするために大事なことが以下の3つです。

刺さる商品開発に大事なポイント3つ

  • うれしさ開発
  • 一貫性のある戦略
  • 具体的な使い方を想定している

では、1つづつ解説します。

うれしさ開発

お客様は何かしらの「価値」を得るために商品・サービスを購入します。

なぜなら、目的を達成することや課題を解決するためだからです。そし、目的達成や課題解決できるとお客様はうれしいです。

つまり、「お客様が得る価値=目的達成=課題解決=うれしさ」で、お客様に刺さる商品とは、「お客様をうれしくしてくれる商品」を考えるということです。

例えば、消せるボールペンでお馴染みのフリクションボールならうれしさは「消せる」という感じです。

一貫性のある戦略

お客様が求めてる商品であり、強みがある商品ということになります。具体的に言うと、どんなお客様にどんな価値がある商品を提供するのか?その商品の強みは?どうしてそれが強みと言えるのか?これらをちゃんとお客様に伝えているか?です。

一貫性のある戦略

  • どんなお客様に?→顧客(Customer)
  • どんな価値がある商品を提供するのか?→戦場・競合(Battlefield)
  • その商品の強みは?→強み(Strength)
  • どうしてそれが強みと言えるのか?→独自資源(Asset)
  • これらをちゃんとお客様に伝えているか?→メッセージ(Selling message)

具体的な使い方を想定している

お客様は「使う」ために商品を買います。なので価値を感じる瞬間は「使うとき」です。つまり「価値は使い方に現れる」。そこで、お客様の利用場面や使い方を具体的に想定して商品・サービスを作ります。

なぜ商品開発が大事なのか?

理由としては以下の2つがあります。

  • 売上、利益が上がるから
  • 商品寿命が短くなっているから

つまり、ヒット商品を持ってる方が儲かるけど、商品の寿命が短くなってるので商品開発が重要ってことです。

これらを表したグラフが下記です。

FFG 調査月報 2009年11月~2009年版中小企業白書より~

上記から新製品の売上の割合が一定程度高い企業の方が、増収となっている傾向が見てとれます。

次は商品寿命です。

商品の寿命が5年超えるヒット商品はほとんどなく、ほとんどの商品が2年未満の寿命です。さらに2000年代になって一気に1年未満の割合が増えたことから、今後ますます寿命は短くなっていくことが予想されます。

この2つの事実からわかるように、商品開発の重要性はどんどん増しています。

でもどうやって刺さる商品開発すればいいの?

次は、商品開発の方法について解説していきます。ポイントはお客様の「使い方」です。

刺さる商品開発3ステップ

刺さる商品開発3ステップ

  • STEP1:お客様の「使い方」を考える『顧客・戦場・競合』
  • STEP2:「使い方」にあった「強み」を作る『(強み・独自資源』
  • STEP3:お客様に刺さる「使い方」を提案する『メッセージ』

これらを考えて作ることで刺さる商品となります。刺さる商品開発で最も重要なことは「お客様の立場に立つ」です。

では、本書で紹介している「戦略BASiCS」のフレームワークを利用して解説していきます。

ステップ1:顧客(Customer)

商品開発で一番大事なことは「お客様の立場に立つこと」

お客様の立場に立つとは?

  • ・どんなお客様の?←リードユーザー
  • ・どんな使い方か?←TPO

お客様は「ただ一人を狙う」←この人が買うといえばみんな購入するような影響力を持った人

例えば、本を買うときに、孫正義さんが読んだ、柳井正さんが読んだって聞いたらその本買っちゃいます。つまり、僕にとって孫さんや柳井さんはリードユーザーになるわけです。

使い方を因数分解すると「TPO」となります。TPOには以下があります。

Time(時間)季節、平日、休日、朝昼夜
Place(場所)屋内、屋外、屋内でもどの部屋か、屋外でもどこか
Occasion(加工方法・状況)加工方法、一緒に使われるもの

お客様の立場に立つ方程式

  • 人(顧客ターゲット)×使い方・TPO

イメージしやすくに言うと「どんな人が×どのように使うと嬉しくなるか」です。お客様の立場に立つ時に注意するのは「人(顧客ターゲット)」または「使い方・TPO」どっちか必ず「絞る」

例えば、フリクションボールなら、書いたスケジュールが変わったとき消して書き直せます。なので「ビジネスマンが×スケジュールを書き直せた時嬉しくなる」って感じです。

お客様は「課題」を解決できると嬉しくなります。下記のように解決する課題には「頻度」と「重要性」の2つの要素があり両方大きい方を選ぶと刺さりやすいです。

潜在的な課題を見つける方法

  • ・お客様に使い方・TPOの質問をする
  • ・お客様の使い方を「観察する」
  • ・実際の利用場面で、お客様から意見を聞く

潜在的な課題は言葉ではなく使い方に現れるので、お客様をよく観察します。

ステップ1:戦場・競合(Battlefield)

戦場はお客様の「アタマの中」、競合はお客様が「決めること」です。なぜなら、「価値・うれしさ」はお客様のアタマにあることですし、お客様が同じ選択肢と思われなければ、競合とはなりません。逆にお客様のアタマの中に選択肢として入れば競合となります。つまり、戦場・競合は業種業態ではなく「使い方・TPO」を「代替する選択肢」ということです。

ちなみに、全く新しい市場はほぼ存在しません。なので、「同じ使い方」をする「他業種」を狙うと新たな売上になります。

そこでお客様のアタマの中、つまり戦場・競合全体を一覧で見られる「戦場マップ」を作ります。これよって「どこを攻めるべきか?」がわかりやすくなります。

まずは、戦場マップの「切り口」です。6つ切り口がありますが「使い方・TPO」から考えるのがセオリーです。

6つの切り口

  • ①使い方・TPO←ココから考えるのがセオリー
  • ②場所・立地
  • ③人(顧客ターゲット)
  • ④価格帯
  • ⑤売り場・チャネル
  • ⑥サイズ

次は描いた戦場マップが適切かを検証します。

描いた戦場マップのチェックポイント

  • ①全体を俯瞰出来ているか?
  • ②切り口がお客様のアタマの中と合っているか?
  • ③戦場ごとの競合の違いは明確か?
  • ④市場規模はわかるか?

検証の結果大丈夫なら、以下の3つ基準で戦場を選びます。

戦場の選び方

  • ①儲かるか(市場規模は十分か)
  • ②勝てるか(自社の競合優位はあるか)
  • ③やりたいか(顧客・従業員との約束を守れるか)

この戦場マップは新商品・サービスが「どこを取りに行くか」を考えるときに役に立ちます。つまり、「○○向け商品」という刺さる商品作るのに役に立ちます

では、戦場マップの作り方をイメージできるように解説します。

戦場を決める戦場マップ

例:食品・飲料・外食

例:食品・飲料・外食

  • 平日vs休日
  • 時間帯
  • 場所:外食vs家庭内

TPOを軸に戦場マップを書きます。図にすると下記です。

これをマクドナルドを例に戦場マップを作った図が下記です。

戦場は顧客ターゲットによって「使い方・TPO」が変わります。なので、顧客ターゲットごとに戦場マップを描きます。そして俯瞰できるように1枚の戦場マップにすることが望ましい。

顧客ターゲットを含めた戦場マップは下記です。

マクドナルドの場合は顧客ターゲットを決めれば時間帯が決まり、時間帯が決まれば顧客ターゲットが決まるという感じです。

では、戦場の規模を大まかにでも掴みます。

これは戦場の規模が「自社とって適切」かどうか判断するためです。

ざっくり戦場規模の推定

ざっくり戦場規模の推定

  • ・人数
  • ・金額
  • ・回数

これをマクドナルドで考えると

マクドナルドの場合

  • 総労働者人口の1/2が毎日昼食にお金を払う
  • 1食あたり、500円
  • 週5日労働=260日

6562万人×1/2×500円×260日=約4.3兆円

これが、平日の「手早い昼食」+「テイクアウト昼食」の市場規模とざっくり推定します。その後は、大きく矛盾しないかチェックします。

日本フードサービス協会の市場データでは「飲食店」で約13.9兆円、「料理品小売業」で約7.5兆円です。外食とナカ食を合わせて21.4兆円でその2割くらいなので違和感なしです。さらに、「喫茶店」が1.1兆円、「居酒屋・ビアホール等」が1.0兆円なのでそれ以下とも考えられないです。

今回の市場規模の調査で大事なのは、狙うか狙わないかの「意思決定するに足る正確さ」です。つまり、厳密である必要もないし、自社にとっての判断でOKです。

とこんな感じです。あとは適切かチェックして3つの判断基準で決めます。

ステップ2:強み(Strength)

競合にはない「独自の嬉しさ」そして、比べて「意味のある差」である必要があります。つまり強みとは「自社を選ぶ理由」

なので、機能ではなく「うれしさ」で差をつける

具体的に言うと

4つの振り切った強み

4つの振り切った強み

  • お客様がうれしいところを3倍にする
  • 顧客や使い方を絞る
  • 他業種での成功事例を取り入れる
  • 弱みを強みに転化する

次は、独自資源です。その強みを競合がマネできないようにするための解説です。

ステップ2:独自資源(Asset)

独自資源とは、強みを競合がマネできない「理由」

それには2種類あります

独自資源

  • ハード資源→「目に見えるもの」技術、設備、土地など
  • ソフト資源→「目に見えないもの」能力、人材、組織、外部との関係、理念、文化、歴史など

商品・サービスの「寿命」を長くする方法

  • マネを防ぐ→技術の確立や知的財産などで守る
  • マネされても大丈夫→認知や信頼を獲得する「○○と言えば××(商品・サービス名)だよね。」、販路、チャネルを押さえる

ステップ3:メッセージ(Selling message)

メッセージは「強みを活かした使い方」を伝えます。なぜなら、強みと使い方を両方伝えられるからです。さらに使い方は具体的に言います。例えばハンズドライヤーの場合:あなたがスマホをしながら髪を乾かし、あなたの時間を有効的に使えます。つまり、置けるというハンズドライヤーの強みと使い方を両方伝える事でお客さまにとっての「うれしさ」が伝わります。ちなみにメッセージは「顧客セグメントごと」に出します。

良いネーミング(ドイツ理論)

良いネーミング(ドイツ理論)

  • 「ド」独自性:独自で商標が侵害されていない
  • 「イ」インパクト:覚えやすい、印象に残りやすい、検索されやすい
  • 「ツ」強み・使い方:ネーミング自体に「強み」や「使い方」が入ってる

まとめ

今回は佐藤義典さんの書籍「実戦商品開発マーケティング戦略」について解説しました。では超ざっくり振り返ります。

①刺さる商品開発とは何なのか?

フリクションボールの消せるボールペンのように「お客様をうれしくしてくれる商品の開発」

②なぜ商品開発が大事なのか?

ヒット商品を持ってる方が儲かるけど、年々商品の寿命が短くなってるから

③刺さる商品開発3ステップ

ステップ1:お客様の「使い方」を考える

ステップ2:「使い方」にあった「強み」を作る

ステップ3:お客様に刺さる「使い方」を提案する