今回解説するのは、武田所長が書かれた「スモールビジネスの教科書」です。
この本での「課題の見つけ方」に納得させられました。言われてみれば確かになぁって感じで、この方法ならテンプレ要らずで「売れる顧客の課題」を見つけやすいです。
なので小さい会社のおっちゃんは、自分の経験や感覚を活かした課題の発見方法が参考になるので、アイデアが煮詰まってる人にも良さげです。
特に中小企業の経営者が、自社のビジネスをブーストさせる意味で著書は使えると思います。
では、さっそく結論から言っちゃいます。
成功企業が捨てている市場に成功企業のミニバージョンを作れ
大きな市場の一部を取りに行くのがスモールビジネスの概念です。
ちなみに、成功企業のミニバージョンができると、
- 安定して高収入
- プライベートも充実
- 人間関係の悩みから解放
具体的に言うと、
自由に使えるお金が月300万円以上持ち、週2日は休めて、平日の仕事時間も柔軟に調整できる。ビジネス起点で多くの出会いがあり、自分が面白いと思う仕事を追求できる。
こんな世界がスモールビジネスでの世界です。
でも成功企業のミニバージョンって具体的にどうやって作ればいいの?
スモールビジネスを作るために必要なことが「調査」です。
ということで、スモールビジネスを構築する4つの調査について解説していきます。
- 調査①:武器の調査
- 調査②:成功企業の発見と学習
- 調査③:顧客の検討
- 調査④:製品の決定
この4つの調査をすることで、成功角度の高いスモールビジネスが作れます。
とはいえ、まずは、自分自身や自分の現在のビジネスがスモールビジネスに向いているか?そこをチェックしていきます。
武田所長について
武田所長とは、
戦略系コンサルティングファームを退職後、20以上のビジネスを展開。それぞれ売上年間数百万円〜10億円の実績ある人です。鋭い発信のTwitterはチェックして損なし。
スモールビジネスとの相性を知る
スモールビジネスには相性があります。まずはそこを理解します。
向いてる人
- 信頼を大切にする
- 自律性がある
- 好奇心、学習意欲がある
- 多少のリスクにビビらない
上記に関しては会社の規模に関係なく、社会人として当たり前の事ですね。
向いてるビジネス条件
- 気付きづらい課題
- 自分の強みを活かせる
- 属人性
- 他人がやりたがらない
- 既に類似サービスにお金が払われている市場がある
ちなみに、スモールビジネスは規模の拡大を狙わないでOKです。
では、上記のことを前提にスモールビジネスの教科書の解説をしていきます。
概要【事前の調査がめっちゃ大事】
スモールビジネスを作るためには「事前の調査」がめちゃくちゃ大事です。
調査内容
- :武器の調査
- :成功企業の発見と学習
- :顧客の検討
- :製品の決定
これは、自分の経験からビジネスの起点を始め、儲かってる企業の方法をパクって、その企業が対象としない人に売るって感じです。
事例①:ラクスル
コンサル会社勤務時代の松本社長は、印刷費の削減余地が大きいことを発見。さらにその業界は非効率で市場が大きい。そこで、初期は印刷比較.comという、印刷の比較サイトとして参入。
印刷比較.comは業界に広告費を慣習があったことと、営業好きの松本社長の競争力によって、すぐに広告費を稼ぎました。
また、投資意欲旺盛なネット印刷系の会社が顧客セグメントとなっていたと思われ、大量の事業機会が生まれラクスルは成長していきました。
参照:スモールビジネスの教科書
このように、「自分の競争力の営業を武器」に、「印刷費の削減という強いニーズ」を見つけ、印刷の比較サイトを提供して広告費を稼ぎ、「成長に意欲的なネット系印刷会社を顧客セグメント」にして、自身もどんどん成長していったって感じです。
まさにスモールビジネスの成功例ですね。
もう一度繰り返します。「武器の調査、成功企業の発見と学習、顧客の検討、製品の決定」の4つを行ったりきたり検討することで成功するスモールビジネスを作ることができます。
では、具体的にスモールビジネスの4つの調査を解説していきます。
調査①:武器の調査
スモールビジネスは個人が武器となるので、属人性が必須となります。
そのため必要なのが「競争力」です
競争力を見つけるための「気付き」と、自分の見つける「具体的な競争力」を解説します。
仕事の経験
仕事の経験からビジネスを考えるのが基本
趣味の経験
趣味からはお金になりづらい
基本的には、ビジネスの基点は仕事から得た競争力を活かすことが良いです。
個人が見つける3つの競争力
- 能力
- ネットワーク
- 専門知識
個人の競争力は上記の3つです。それらを活かした事業領域を見つけていきます。
能力
業界で上位じゃなくても、お金を生む能力なら武器にした方が良い。
お金を生めないなら、その能力でポジション取りが出来ないか考える。
ネットワーク
スモビジは、協力関係を築いてこそなので、最終的には必須な力。
誠実な人として拡大させる。
専門知識
能力と掛け合わせてポジション取りに使う。初期の専門知識は、例えば広告ビジネスで言うと、美味しい領域と競合を認識してるくらいで十分。
最初の競争力の整理は出発点です。取り組んでいけば競争力はUPします。
事業領域の見つけるコツ
事業領域を見つけるコツは、鉄板のビジネスモデルに自分の競争力を掛け算すること。
事業領域=自分の競争力×鉄板ビジネスモデル
参考までに著者が知ってる鉄板ビジネスモデルは下記となります。
著者の知ってる成功ビジネスモデル
- デジタルメディア
- 広告運用
- コンサルティング
- システム開発
- 不動産運用
- 営業代行
- 教室
- フリーランスマッチング
調査②:成功企業の発見と学習
続いては、スモールビジネスの基本は「既にお金が払ってる市場」なので、それを見つけるコツを解説します。
成功企業の探し方
- 営業利益が自分の目標の10倍以上
- その企業が多数いること
成功企業を探すとき、著者が使ってる情報チャネルは下記です。
著者オススメの情報チャネル
- IR
- 非上場企業の決算
- 投資情報
- 企業によるリリース
- 業界誌
儲けの手法を見つけてマネる
成功要因をコピーしてミニバージョンをつくる流れを紹介します。
- 競争力を活かした事業領域を調査
- 儲かってる会社と儲かってない会社を比較し儲けの手法を見つける
- 成功企業の「沿革」「経営者インタビュー」「商材の活用例」「営業資料」を見る
- 儲けの手法をコピーしてミニバージョンをつくる
- 成功会社の捨てている小さな市場を狙う
こんな感じで、成功企業のミニバージョンはOKです。
調査③:顧客の検討
続いて、対象顧客セグメントの強いニーズについて解説していきます。
スモールビジネスが狙う市場
あくまで狙うのは「市場が成熟して顧客が十分課題を認識してる場合」
※新しい事や、改革のような未知の課題に手を出すのはダメ
選びたい顧客セグメントは?
選ぶ顧客セグメントによってイージーモードかハードモードかが決まるくらい重要です。イージーモードになる顧客セグメントは下記です。
- 顧客セグメント自体が成長中
- 投資意欲旺盛
- 利益率が定常的に高い
- 参入の人気がない
顧客セグメント自体が成長中
自身の成長に対して意欲的な顧客セグメントに注力する。
投資意欲旺盛
参入戦略にはいいけど、安定性がないこと、市場のボリュームゾーンじゃないことは注意する。
利益率が定常的に高い
儲かってる業界は金払いが良い。サプライヤー叩きがない。
参入の人気がない
市場規模が小さく利益率が低い場合は、貧乏業界なのでダメ。
そして、十分認識している課題を見つけるためにはバーニングニーズが必要です。
バーニングニーズとは?
- 顧客規模は小さくても、燃えるような欲望
- 細かいことはいいからとにかくやりたい
自分の商品やサービスは「不愉快でも買わざる得ない理由」があるか?に注目します。
さらに、商品が売れることは、顧客の心理的な把握を抜きに考えられません。言い換えると憑依して顧客の心理を把握します。
強いニーズの見つける手順
続いて、バーニングニーズの見つける手順について解説していきます。
- 前提:自分の妄想よりも売れてるが正義
- 手順①:特定セグメントを対象としたアイデア
- 手順②:特定セグメントに売れているサービスの調査
- 手順③:そのサービスが普及する発端になった価値およびセグメントを把握
- 手順④:鋭いバーニングニーズおよびそれを持つセグメントの把握(サービスの着火点)
この手順でいけば、自分の経験や得意分野をベースにいけるので、課題が見つけやすい。
調査④:製品の決定
最後は、マイナーチェンジ品を作る際の定番パターンを紹介します。
マイナーチェンジ品の定番パターン
- パターン①:対象セグメント、地域で絞る
- パターン②:サービス・機能を絞り、価格を下げる
- パターン③:サプライヤーを変更し、価格を下げる
- パターン④:マーケティング軽視業界でマーケティングを最適化
パターン①:対象セグメント、地域で絞る←オススメ
質が向上し、局所的に強い競争力を獲得できる。
パターン②:サービス・機能を絞り、価格を下げる
顧客の要望を満たす最小限かつ安価。
「本当に必要な機能しかありませんが価格は他社の5分の1」これをやる
パターン③:サプライヤーを変更し、価格を下げる
例えば、正社員→副業人員に変更
これで価格をさげ、利幅の拡大、スケーラビリティの向上にも効果的
パターン④:マーケティング軽視業界でマーケティングを最適化
マイナー製品では、まだチャネル別の最適化がされていないので、マーケティングのみで勝てるビジネスが数多くある。
上記の感じで、スモールビジネスの強みを活かせばOKです。
以上4つの調査を行ったりきたり検討することで成功するスモールビジネスを作ることができます。
さらに実行方法を詳しく知りたい人は本書を読むとわかります。ぜひ読んでみてください。
感想
小さな会社を成長させるために参考にしたくて、本書を読みました。
結論は、「参考にはなるけど実践は難しい」です。
個人や零細企業にも考え方は参考になるし、確かにって感じで真似したいけど、正直難しい。会社に少し体力や技術、ネットワークが付いてから、ブーストをかける意味でトライしてみる本って感じです。
もう少し具体的にいうと
まず本書を読んで最初に感じたのが、「ニッチを見つける時の考え方と凄く似てるな」って思いました。ニッチ探索は、誰もいない小さな市場からではなく、大きな市場から細分化して探します。スモビジも同じような考え方だったので非常にスーッと入ってきました。
次に例えや事例が僕にはわかりづらかったです。
ただスモビジは「みんなが気づきにくいが正義」のようなところがあるので、どうしてもわかりづらい例えになるのかもしれません。
全体を通して、ビジネス中級者以上向けの本だと思う。考え方はスーッと入ってきたけど、実践するにはわかりずらい。まだ体系化しきれてないのか?まだデータが少ないのか?詳しくはプレミアム会員で作戦なのか?理由はわかりませんが何にしても、例えや根拠が弱く考え方はわかるけど、実践するのは難しいと感じました。小さな会社のオッチャン向けではないです。
著書のオススメな人
著書がオススメな人
- 開発費の資金がある。または、借りれる。
- 複数社員がいる
- 技術がある
- 中小企業の経営者
なぜ?中小企業の経営者にオススメか?
それなりに動かせる資金や社員、技術の転用が出来る土台があるから。
なので、個人や零細企業の普通のオッチャンには難しい。ただし、特殊な技術や素晴らしい経歴から十分融資が受けれる人、ネットワークがメチャメチャ豊富で協力者が多い人は例外。例えば、一昔前のプログラミング技術を持ってるような人など。
まとめ:
今回は、武田所長の「スモールビジネスの教科書」を要約しました。
スモールビジネスの構築をまとめると下記になります。
- 基本姿勢は大手が捨てた市場の一部をいただく
- 「武器の調査、成功企業の発見と学習、顧客の検討、製品の決定」の4つを行ったりきたり検討する
- 自分の経験を活かせる領域を探す
- 儲かる企業を見つけ儲かる手法を見つける
- 顧客セグメントをハッキリして、猛烈な欲求を見つける
- 儲かる手法のマイナーチェンジコピー品を作る
とにかくこの4つ調査をグルグル行ったりきたりすることで、成功角度の高い成功企業のミニバージョンを作ることができます。
このようにスモビジは大きな市場の一部を取りに行きます。つまり成功企業のミニバージョンを作ることが成功への道です。
最後までご覧いただきありがとうございます。
考え方、ビジネスの起点など、いろいろ参考になることが書かれているので、ぜひ読んでみてください。