俺のイタリアン俺のフレンチって本ってどんな感じの本?
こんな疑問を解決します。
今回は坂本孝(サカモト タカシ)さんの「俺のイタリアン、俺のフレンチ」を解説します。
坂本孝さんは中古書籍販売BOOK OFF(ブックオフ)の創業者で一流の経営者です。その坂本さんが未経験の飲食業にチャレンジしてどうやって成功したかが書かれた本です。坂本さんの考えや思いに感動できます。
長い本でも難しい本でもなく、むしろ口語体でスゴく読みやすいにも関わらず、驚くほど多くの学びが得られました。最近読んだビジネス書では最も感動した本のひとつです。出典:Chikirinの日記
本書の結論をお伝えします。
未経験の業界でも「競争優位性」を作れば成功できる
坂本さんは「従業員の物心両面の幸福を追求する」という京セラ稲盛和夫氏の京セラフィロソフィー(利他の心)を理念として実践しています。これも1つの競争優位性です。ブックオフはこの「利他の心」やそれを基盤に作ったその他の競争優位性でぶっちぎりで勝ちました。
本書を読むことで一流の経営者の経験を追体験できるのが一般的なビジネス書と大きな違いです。
また坂本さんは本書で
ビジネスで勝つ条件はビジネスモデルに「競争優位性」があること。そして参入障壁が高いことです。
出典:俺のイタリアン、俺のフレンチ(11ページ)
このように述べています。
事業で成功したければ競争優位性を作ることが大事なのはわかったので、具体的に教えてよ!
今回はこんな4部構成でお伝えします。
- 俺のイタリアンの競争優位性とは?
- 俺のイタリアン実績
- どうやって競争優位性を作ったのか?
- 感想
こんな流れで本書を解説していきます。
俺のイタリアンの競争優位性とは?
俺のイタリアンの3つの競争優位性
- 人
- コンセプト
- 回転率
上記のように競争優位性を作ることで、未経験でも成功することが出来ました。
俺のイタリアンはこれらの他にもいくつも競争優位性を作ってますが、この3つに絞りました。
では、それぞれの競争優位性を解説します。
人
ミシュランの星付きレストランで働いている一流のシェフ
とはいえ、これはお客さんに対してです。実は、俺のイタリアンの競争優位性はシェフたちに対して、未来が明るいと思ってもらったり、生きがい・やりがいを感じてもらうことです。
具体例
- 品切れが続出するという達成感
- 年に数回しかメニューが変わらないホテルなどでは出来なかった、料理のアイデアや技術を存分に振るうことが出来る
- コックレスにならない安心感
- 利益の分配
- ストックオプションのようなイメージで株を持ってもらって会社を上場するという坂本さんの考え
コンセプト
一流の料理人が作り、高級店の価格の2分の1で提供
個人的にはこのコンセプトで勝負あった!って思うくらいのインパクトを感じました!
回転数
俺のイタリアンは3回転以上します。回転数を上げるために立ち飲みにしました。それを可能にするのは大商圏です。
俺のイタリアンは、その後銀座8丁目に集中して出店する「銀座8丁目ドミナント戦略」をしています。
俺のイタリアン実績
俺のイタリアンの実績を紹介します。
俺のイタリアンの実績
- 俺のイタリアンが16坪で月商1910万円を達成
- 口コミによって繁盛するのに1ヶ月も経たなかった
- 3回転以上で料理がどんどん売り切れる
- 2013年10月営業利益1ヶ月2000万円以上でIPO(株式公開)が可能な数字
俺のイタリアンが16坪で月商1910万円を達成した
その後の店舗展開でも、15坪〜20坪、1日3回転、月商1200万円〜1900万円
口コミによって繁盛するのに1ヶ月も経たなかった
価格と価値の差が大きいほど口コミがある
3回転以上で料理がどんどん売り切れる
極端に狭い厨房でもたくさんのお客様が満足する料理のクオリティを驚くほどの安い価格で提供
2013年10月営業利益1ヶ月2000万円以上でIPO(株式公開)が可能な数字
2011年9月21日1号店「俺のイタリアン」オープンしてわずか2年で急成長
どうやって競争優位性を作ったのか?
俺のイタリアンの競争優位性の作り方
- 損益分岐点をざっくり計算
- 繁盛してる店の視察
- 料理人の不満解消
上記のようにある程度下調べします。アイデアが収益できるか?実際儲かってる店はどんな店か?などをチェックします。
それぞれを詳しく解説していきます。
損益分岐点をざっくり計算
単価、客数、座席、回転数で単純なシュミレーション→原価9割でも赤字にならない
客数 | 回転数 | 客単価 | 売り上げ | 経常利益 | フード・ドリンク平均原価率 | 損益分岐点フード原価率 |
50 | 1.0 | 3,000 | 360万 | -187万9023 | 45% | 0%未満 |
50 | 1.5 | 3,000 | 540万 | -98万5367 | 45% | 18% |
50 | 2.0 | 3,000 | 720万 | -17万6400 | 45% | 50% |
50 | 2.5 | 3,000 | 900万 | 60万3427 | 45% | 68% |
50 | 3.0 | 3,000 | 1080万 | 117万1532 | 45% | 76% |
50 | 3.5 | 3,000 | 1260万 | 180万3154 | 45% | 83% |
50 | 4.0 | 3,000 | 1440万 | 243万4775 | 45% | 88% |
繁盛してる店の視察
立ち飲み居酒屋、ミシュランガイドの星付レストランが繁盛していたので2つをくっつければ絶対上手くいくと思った。
俺のイタリアンのベンチマーク店
アイデアの原点:勝どき「かねます」
その他は、「ビストロ・シン」「びすとろUOKIN」
料理人の不満解消
料理人に「裁量権を与える」そうすれば仕事に「生きがい」を感じてもらえ、不満解消できます。具体的には、生ハムの仕入れ値は2分の1くらい安くなったってさらに料理にお金をかけれられるようになりました。これは、業者と信頼関係ができ「価格交渉力」を持ったため。
いやいや、仕入れを安くできたことと「生きがい」は関係ないでしょ!
そう思いますよね。でも、仕入れ値が安くなりその分料理にお金がかけられると、もっとおいしい料理を作ることができる。これが生きがいとなります。
感想
まとめ
では今回は坂本孝さん著『俺のイタリアン俺のフレンチ』という本について解説しました。超ざっくりで振り返りますと、
- 事業で成功するには競争優位性を作ろう
- 社員を大切にしよう
- 飲食店は回転数
こんな感じで、従業員の物心両面の幸福を追求するんだよって話です!