本記事は
- 「やってのける〜意志力を使わずに自分を動かす」の【要約】
を解説していきます。
「やってのける〜意志力を使わずに自分を動かす」の基本情報
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「やってのける〜意志力を使わずに自分を動かす」の基本情報を見ていきます。
書籍:『やってのける〜意志力を使わずに自分を動かす』
著者:ハイディ・グラント・ハルバーソン
出版月:2013/9/20
出版社:大和書房
定価:1415円(kindle:836円)
著者:ハイディ・グラント・ハルバーソンさんのプロフィールがこちらです↓
ハイディ・グラント・ハルバーソン
社会心理学者(博士号取得済み)。コロンビア大学ビジネススクール・モチベーションサイエンスセンター副所長。モチベーションと目標達成の分野で第一人者。目標達成能力、自己管理能力、幸福感を高めるための最適なアプローチを研究している。
その他の著書に「やり抜く人の9つの習慣」「やる気が上がる8つのスイッチ」など
~目次~
イントロ 成し遂げるための科学
第1章 ゴールをかためる
第2章 なぜそこを目指す?
第3章 おのれを知る
第4章 楽観するか、悲観するか
第5章 ただ成功してもうれしくない
第6章 欲しいものと邪魔なもの
第7章 背中を押す
第8章 地道に壁を越える
第9章 シンプルな計画をつくる
第10章 自制心を日増しに伸ばす
第11章 現実を見よ
第12章 あきらめるとき、粘るとき
第13章 フィードバックの魔法
あとがき
【要約】目標設定の原則
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目標設定の原則
- 具体的で難易度が高い目標の設定は動機付けを高める
- 「なぜ」の思考はモチベを上げ、遠い将来向きで抽象的
- 「何」の思考は新しく何かを学ぶこと、近い将来向きで具体的
- 目標はハッキリしていると誤魔化しが利きません。
- そして、大切なのは対象の目標を達成するにはどちらの考えを持つべきか判断することです。
では、具体的に解説していきます。
具体的で難易度が高い目標の設定は動機付けを高める
なぜなら、はっきりとした目標は言い訳ができず、難しい目標はやる気や集中力を高め、粘り強く取り組むからです。
例えば「ベストを尽くせ」という曖昧な目標で、ベストを尽くす人はいません。また、人は求められた以上はしない傾向があることも研究からわかっています。
そして、大きな達成感を味わえるのは難しい目標を達成したときであり、この喜びは簡単な目標では得られません。
つまり「具体的で難易度が高い」目標の設定は目標達成への好循環をつくりだします。
ただ、難易度が高すぎる非現実的な目標はダメです。あくまでも「難しいけど可能」です。
「なぜ」の思考はモチベを上げるのに向いている【抽象的は遠い将来向き】
抽象的な思考の「なぜ」はモチベーションを上げるのに向いています。つまり、遠い将来に対して考える思考です。
例えば、「あと1時間、コンピュータに向ってキーを打つ」より「このひと頑張りがキャリアアップに結びつく」と考える方がモチベは上がります。
「何」の思考は近い将来向きで具体的
具体的な思考の「何」は難しく、不慣れで、複雑な行動や学習をするときに効果があります。つまり、新たに何かを学ぶときは、その行動を細かいステップに分割するようにします。
そして、近い将来に対して考える思考です。
例えば、スキーをするなら「ひざを曲げて」「スキーの先端をそろえる」ことに集中するです。なので、かっこよく滑れるとモテるなんて考えてはダメです。
具体例:「何」は先延ばしに効果あり
「何」を意識することで、人は具体的な行動に着手しやすくなり、目標に向かってまっすぐ進めるようになります。逆に理由(「なぜ」を意識)ばかりを考えていると、なかなか実行に移せません。
著書では、大学生に簡単なアンケートに回答し、結果を3週間以内に電子メールで送るという仕事を依頼。
Aグループには「なぜ」を意識させ、Bグループには「何」を意識させるように課題を与えました。結果は、「何」(Bグループ)のグループのほうが約10日も早くメールを送信しました。
大切なのは、「なぜ」と「何」のどちらか片方に偏ることなく、対象の目標を達成するためにはどちらの考え方を持つべきなのかを判断することなのです。
出典:やってのける(ハイライト・位置522)
質問:ポジティブ思考ってどうなの?
成功を信じることで成功する確率は上がります。
- メリット:やる気になる
- デメリット:目標を甘くみて努力をおろそかにしがち
対策は、目標に対してポジティブに考え、行動に対しては現実的に考えるです。
例えば、ダイエットならまずは、ダイエットで成功したときのことを考え、次にその為の障壁を考えるです。
願望と障害物を天秤にかけることで非現実的な目標を諦めることになり、成功のチャンスが高い目標に向かえます。
目標設定の原則はこんな感じです。
次は目標のタイプについて解説します。
【要約】目標のタイプを理解して最適な目標設定をする
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6つの目標タイプ
- 決定論…「変えられない」と考える
- 成長論…「変えられる」と考える
- 証明型…他人の評価を重視
- 習得型…成長すること重視
- 獲得型…成し遂げる
- 防御型…ミスを避ける
具体的に解説していきます。
目標に対しての根本的な考え方
- 決定論とは、人間の資質は「変えられない」と考えている
- 成長論とは人間の資質は「変えられる」と考えている
目標設定の傾向には「信念」が大きく影響しています。
なぜなら目標を達成可能なものと見るか、時間の無駄と見るかで違います。
例えば、数学の勉強も、努力をすれば得意になると真剣に信じるからできます。
決定論者は、現在の能力の証明ばかりに意識を向け、努力によって将来の能力を獲得することをあきらめてしまうのです。
出典:やってのける(ハイライト・位置704)
目標設定のタイプ
- 証明型は知能や能力を示したり、他者より良い成績や成果を挙げたりすることを重視する目標タイプ
- 習得型は技能や能力を高め、よりよい存在になろうとする欲求を満たすことを重視する目標タイプ
「証明型」は上手くいってるときは凄く上手くいくけど、ダメなときもすごくダメになる。
ちなみに試験で最高得点を出すのは、照明型の目標タイプの人です。
「習得型」は進歩や成長に注目してるので、結果をネガティブに捉えず、壁を乗り越える行動をとります。
質問:結局どっちが良いの?
- 簡単な目標(やる気やパフォーマンスを上げる)の場合は「照明型」
- 難しい目標(忍耐力やモチベーションを維持する)の場合は「習得型」
目標のアプローチのタイプ
- 獲得型は、最終的には愛されたいを求め、具体的の言うと何かを成し遂げる、理想的な能力を身につけるといった目標
- 防御型は、最終的には安全を確保したいを求め、具体的には責任を果たし、ミスを避けるといった目標
「獲得型」は称賛によってモチベーションを高めます。さらに積極的でリスクを恐れない傾向です。
「防御型」は批判のよってモチベーションを高めます。さらに注意深く、正確さを好む傾向です。
問題に遭遇したとき、何らかの対処策を取るだけでは十分ではありません。すべての対処策が自分に効果的だとは限らないからです。行動は、目標やあなたのフォーカスに適したものにすべきです。
出典:やってのける(ハイライト・位置1345)
※著書では、あなたがどのタイプかわかるアンケートがあります。
目標を達成するには、これらを組み合わせた目標設定とアプローチが必要です。
次はタイプ別の向いてる目標を理解します。
【要約】ふさわしい目標タイプを選ぶと効果的
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目標の意識
- 簡単なことを達成したいときは「結果」
- 意欲がわかないときは「理由」
- 難しいことをするときは「小さなステップ」
- 誘惑に負けそうな時は「失うもの」
- スピードが必要なときは「得られるもの」
- 正確さが求められるときは「失敗の結果」
- 創造性を求められるときは「自発性」
- 過程を楽しみたいときは「成長」
簡単なことを達成したいときは「結果」を意識
単純なものや、何度も経験してるものは「照明型」と「獲得型」が効果的です。
簡単なことだと「照明型」の思考は周囲に示すチャンスと考えやる気が出て、「獲得型」の思考が自信を生み、成功の見込みを楽観的に考えます。
意欲がわかないときは「理由」を意識
モチベーションを上げるために「なぜ」を考え「防御型」で行動の先延ばしを防ぎます。
難しいことをするときは「小さなステップ」を意識
難しい目標には「何」の思考が役に立ちます。これは「するべきことを明確にし、次に取る行動に集中する」ということです。
目標タイプで有効なのが、「何を失うか」に注目する「防御型」と「長期的な成長や改善」を重視する「習得型」が効果的です。
誘惑に負けそうな時は「失うもの」を意識
誘惑に打ち勝つためには「なぜ」の思考で、追い求める理由を考えます。
そして「防御型」の目標タイプで忍耐力の高めます。
スピードが必要なときは「得られるもの」を意識
質よりも量のときは「獲得型」で「得られるもの」に注目することで行動のペースが速まります。
正確さが求められるときは「失敗の結果」を意識
正確さには「防御型」で「失敗したら失ってしまうもの」に注目することでリスクを避けるために行動が慎重になります。
創造性を求められるときは「自発性」を意識
自由な発想で斬新なアイデアを生み出したいときは「獲得型」です。
「得られるもの」への注目によって楽観的になり、抽象的に物事を考え、多くのアイデアを検討し積極的にリスクを取るようになります。
過程を楽しみたいときは「成長」を意識
道のりを楽しみたいときは「習得型」の思考をすることで、結果ではなく体験から学び過程を楽しもうとします。
具体的な目標の設定方法を理解する前に、目標達成の落とし穴について解説します。
【要約】目標達成の障害は何をすればいいかわからないじゃない【行動が足りない】
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目標達成の障害
- 選択肢が多くて行動の機会を失う
- 競合によって行動が取れない目標がある
- フィードバックをしない
- 方法が間違ってる
選択肢が多くて行動の機会を失う
つまらないことは後回しにしたくなります。
競合によって行動が取れない目標がある
複数の目標を追い求めると競合が生じます。この時脳では、目標の一つを抑制します。抑制された目標は不活性化します。
有効な対策は「時と場所を決めて、明確な計画を立てる」です。
フィードバックをしない
現在の状況を把握しなければ、目標を達成できません。
脳は「目標」と「現状」との差を埋めるという単純な原則にしたがってゴールを目指します。
方法が間違ってる
効果の低いアプローチを選ぶです。
努力が足りないと思っていたことが実は方法が間違っていただけかもしれません。
ただし万能な正しいアプローチはありません。
失敗を理解することは「反面教師」になるのでとても参考になります。つまり逆の行動をすればいいだけです。
では、目標設定について解説していきます。
【要約】いい計画の作り方が目標達成には必要【具体的に作る】
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具体的でいい計画とは?
- 何を
- いつ
- どこで
- どのように
計画はシンプルだけどとても効果的です。
それぞれを考えたら、条件型計画として文章にまとめます。
次は、目標達成のための具体的な方法について解説します。
【要約】行動の機会を逃さないのが成功の鍵【条件型計画】
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条件型計画
- 「もし〜であれば、〜する」という「if-then」式の計画
無意識で行動まで落とす即席習慣を作ることができます。
具体例:条件型計画ってどういうこと?
簡単に言えば「即席の習慣作り」です。
条件型計画
- if(状況や手がかり)
- then(ifに続く行動)
状況と行動が強く結びつきます。
これを具体例で解説します。
お母さんに電話をするという目標の場合
「日曜日に夕食を終えたらお母さんの電話する」という計画を立てます。
この場合の条件型計画が
- if(状況や手がかり)→「日曜日の夕食後」
- then(ifに続く行動)→「お母さんに電話する」
これで状況と行動が強く結びつきます。
脳内で状況や手がかりが高度に活性化します。つまり、脳が意識しなくても「if(手がかり)」を簡単に見つけ、迷うことなく行動できるので計画を実行できます。
次は、目標達成には、「良い目標設定」だけじゃなく「自制心」も重要です。なので「自制心」について解説します。
【要約】自制心の鍛え方【自制心は鍛えられる】
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自制心とは心理学的には「意志の力」のことです。
これは鍛えることができ、目標達成には不可欠な能力です。
なぜなら、誘惑に勝ったり、粘り強く目標に向かったりするのに役立つものだからです。
自制心の特徴
- 鍛えられる
- 疲労する
- 高められる
鍛えられる
自制心は筋肉のように「鍛える」ことができます。
鍛え方
- 誘惑に耐える
- 身体的苦痛に耐える
日常生活で取り入れ鍛えることができます。
例えば
- 誘惑に耐える→甘いものを我慢する
- 身体的苦痛に耐える→エクササイズをする
その他にも、「汚い言葉を慎む」「利き手とは逆の手でドアを開けたり歯磨きをする」「姿勢を正す」などです。
疲労する
自制心は筋肉と同じように「疲労」します。
回復方法
- 休息が基本
- 良い気分になる
- ブドウ糖を摂取(10分後に効く)→太るし、効果時間も長いので通常の食事がオススメ
良い気分になるからと言ってもお酒はダメで「プレゼント」が効果的です。
高められる
自制心を回復させれないときでも自制心を「高める」ことができます。
高める方法(伝染力を利用)
- 目標達成を目指す人を思い浮かべる
- 自制心が高いと思う友人や知人を思い浮かべる
逆に伝染力は悪い方にも電波します。
つまり自制心を多く使っている人を見ると自分の自制心も消耗するので注意です。
次は自制心の節約についてです。
【要約】少ない自制心でも行動できる方法
![](https://bridgeplace.net/wp-content/uploads/2021/12/10687-1280x720.jpg)
自制心を節約する方法はあります。
自制心の節約方法
- 初めから手を出さない
- 「なぜ」で理由を考え、自己監視する
- 二つ以上の目標を同時に追い求めない
- 証明型の思考や目標設定を利用する
初めから手を出さない
自制心の無駄使いにならないためにも「最初から手を出さない」がいいです。
なぜなら、自制心はいったん始めた行動をやめるときも必要になるからです。
例えば、ポテチを一口食べてから我慢するよりも、初めから食べない方が我慢しやすいのと一緒です。
「なぜ」で理由を考え、自己監視する
誘惑や衝動に負けそうなときは最終的に自分がどうなりたいかを強く思い浮かべます。
そして理想と現在地の差を比べます。
例えば、冷蔵庫の甘いものの誘惑には、スリムジーンズを履きたい目標を強く思い浮かべて、食事前に体重を測ります。
二つ以上の目標を同時に追い求めない
失敗の確率が個別に行うときよりも両方にした方が高いことが研究でわかっています。
証明型の思考や目標設定を利用する
適切な報酬を設定すると、動機付けが高まり自制心を補います。
具体的には、「お金」や「学べた実感」「役立っている実感」など
今回は以上です。